Kindle Paper White レビュー

Kindle Paper Whiteを買ったので、そのレビュー。

Kindle Paperwhite、電子書籍リーダー、Wi-Fi 、ブラック

Kindle Paperwhite、電子書籍リーダー、Wi-Fi 、ブラック

 

買ったのは、色はWhiteで、広告無しモデル。

初期動作

電源を入れると、言語選択とWiFi設定など簡単な設定が始まり、すぐに使い始められた。驚いたのはAmazonのアカウントがあらかじめ登録されていたこと。購入済みのKindle書籍の一覧が表示されて、ダウンロードする手間はあるものの、すぐに読み始められる。

読書してみて、最初はページ切り替え時の独特の点滅?に違和感を感じた。が、これについてはすぐに慣れた。文章と漫画の両方を読んでみたが、どちらも問題ない。Kindleにはマンガモデルというのもあり、それは切り替え時の速度が改善されているらしいが自分には必要ないかと思った。

良かった点

バッテリーの持ちが優秀。iPadはカバンの中に一日置いておくだけで電池が切れてしまったが、Kindleは今のところ2~3日、毎日読書しても電池が切れることはなかった。

e-Inkはバックライト無で表示できるため、液晶のように表示中の保持電力が要らない。電力パフォーマンスが非常に優秀なのだ。

思うに読書端末はスマホと違って、毎日使う訳でも無いし、充電する習慣を保てない。その為、バッテリーの持ちが良いのは凄く重要だ。私自身、そのためにiPadをやめてKindleを買ったので、そこが達成できたのは良かった。

また、ディスプレイのマットな触感が非常に気に入った。スマホタブレット系のガラスに比べると、手触りが優しい。これは買うまで分からなかったポイントだ。

あと、Kindleシリーズが売りにしている、解像度に関しても申し分ない。Times New Romanは十分すぎるほど綺麗。e-Inkという一見得たいの知れない技術なので、チープなところもあるんじゃないかと思ったが、表示性能は充分だ。

悪かった点

読書以外の動作が非常にもっさりしている。設定をいじったり、文字を入力している時は動作が遅いなと感じた。

e-Inkは、バッテリーの持ちが良い点は優秀だが、動作速度が遅いという致命的な欠点がある。e-Inkの動作速度がネックで全体のパフォーマンスが極めて遅くなっているのが、Kindleの残念なところ。e-Inkの動作速度の改善を期待したい。

それから、文字入力の予測変換が非力だった。2文節以上の文章を変換できないし、「社員食堂」みたいな普通の変換も「社員」と「食堂」に分けないと変換できないような弱い変換エンジンだった。

Kindleは読書の途中で、マーカーをつけてメモをつけられる機能があるのだが、文字入力の所為で、この機能が有効に使えない。

変換エンジンはソフトの問題なので、これはアップデートでどうにかしてほしいなと切に思う。

総合評価

悪い点もいっぱいあるけど、買って良かったなと思う。それまで読書端末に使っていたiPadのバッテリーがすごく不満に感じていて、少なくともそこは改善できたので。

また、Kindleには「Kindle」「Kindle Paper White」「Kindle Paler White マンガモデル」「Kindle Voyage」「Kindle OASIS」と多くのラインナップがある。高グレードなモデルは私が気になったe-Inkの速度が改善されている。が、お値段が2倍以上するので手が出ない。低価格帯になってきたら、今後、買い替えるのも良いかなと思う。

あとは、WiFiが今のところ高機能機種でも11nまでしか対応していないので、後継機種で11acが入ってくるとダウンロードが早くなって、より快適になるんじゃないかと思う。買い替える時はそこもチェックしてタイミングを見極めたい。

【LIVA-Z】M.2 SSD 増設

 前回の記事で検討したM.2 SSDをLIVA-Zに取り付けた。

kent-tech.hatenadiary.com 

まずは購入したSSDの外観を観察。

 

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両面の下部にボードの40%くらいの面積を占める形でNANDが搭載されている。それ以外はController ICと電源関連の部品のみ。 

本体のNAND Memoryはメーカーは分からない。製品名がTから始まっているので、東芝か?と推測できるが推測の域は出ない。

一番興味があったのがController IC。このICの役割はM.2のSATA3で送られてきた信号を受け取ってNANDの読み書きを制御する。何故M.2から直接NANDを制御しないかというと、これはコスト観点である。SATA3のスレーブをNAND側に搭載すると、NAND側のコストが上がる。SSDは複数枚のNANDが搭載されることが多いのでControllerでバッファして、複数のNANDを制御するのがトータルで安い。

Controller ICのベンダはPHISON社。台湾系のICベンダでNAND系のコントローラを主力としている。民生のメモリーカードSSDも手掛けている。年間1000億円程度の売り上げがあり半導体全体で見ると中堅レベルだが、NANDコントローラICのベンダとして見ると首位級。薄利多売だったメモリカードICコントローラとしてメジャーな存在だったが、高付加価値なSSDコントローラにも参入してきた。

このSSDに載っているPS3111-S11という製品については結構SSD界隈では有名な存在らしい。ひとつの特徴はDRAM less。真偽は定かではないが、Controller ICにeDRAM(embeded DRAM)というIC内蔵DRAMが使われているのではないかとのこと。eDRAMはあんまり使われないプロセス技術なので、にわかには信じがたい。MCM(Multi Chip Module)でDRAMチップがCPUの上にマウントされてるんじゃないかと個人的には思う。

ちなみにPHISON社のSSDコントローラ製品はHPを見る限りすべて40nm CMOS。製品数も少なく規模も大きいのだからもう少し微細化にいっても良さそうだと感じた。また、その40nmでPCIe Gen3を実装している。Gen3を動かすなら28nmか16nmでないと難しいので、相当無理をしたのではないかと推測。

装着後の感想

LIVA-ZのSSDの換装に関しては他所にたくさん記事があるので、そちらを参考にされたい。換装後、私はCドライブとしてSSDを使用している。今のところ大きな不具合はない。一方でこれといったメリットも享受できていないのが正直なところ。もともとWindows10ということで起動が早かったし、速度には不満はなかったというのも大きい。保存容量が足りなくなってきたら有難みを感じることになるのかな~と思います。

【LIVA-Z】M.2 SSD増設検討

LIVA-ZにM.2 SSD増設の為、M.2について色々と調べた。

M.2とは

自作PCのインターフェースとしてメキメキと頭角を現し始めたインターフェース。ストレージと無線モジュールという自作PCには欠かせない拡張パーツをM.2では接続できる。

この統一構想は否定しない。外部インターフェースがUSBにほぼ統一された(コネクタの種類は乱立しているが)みたいに良い流れだなーと思う。だがM.2の中で種類が多数存在するのが何だかいただけないなと個人的には思う。

まずKeyと呼ばれる切り欠きの種類。SSD用途ではKey-MかKey-M&B、無線モジュールだとKey-A , E, Bのどれか。SSDだとこのKeyが商品のパッケージに書かれていないことがほとんど。ネットの売り場でも書かれていないことの方が多い。SSDでは、Key-M&BはKey-Mの上位互換なので問題ない場合の方が多いが、M.2の大きな要素の一つが認知されていないのはいかがなものか、と思う。

次にフォームファクタと呼ばれる、外形寸法に関する規定。M.2は、小型機器に搭載されることを想定している為、寸法が厳密に決まっているのだ。SSDだと主に2242もしくは2280が使われる。2242とは幅22mm, 高さ42mmのこと。2280の方が商品の種類が多いが、LIVA-Zは小型ケース故に2242タイプしかハマらない。フォームファクタは商品の大きさが大分違うので見た目で分かる。2280タイプはめちゃくちゃ細長い。だが、これも商品の現物が見えない箱の中に入っていたりすると、判別が難しい。

そして、もう一個大事なのが、ホストとの通信プロトコル。同じKeyでもPCI-ExpressSATA-6Gbpsの2種類が存在する。規格違いはKeyで分けてくれよ、と思うのだが…。これら2つでプロトコルが異なる。PCI-Expressの方が伝送速度は速い。LIVA-ZはSATAにしか対応していない。幸いなのが、2242タイプのSSDで2018年5月現在、市場に流通しているのはSATA-6Gbpsのみ。LIVA-Zのホスト側もSATAにしか対応していないので、間違いようがないのでこれは有難い。ただし、2280タイプだとPCI-Expressが半数近くになってきているし、今後は小型の2242タイプにもPCI-Expressが確実に入ってくる。そうなってくると相当ややこしくなりそう。

ここまでに書いたKeyとフォームファクタプロトコルの3つの要素でM.2のSSDは分類されるのだが、相当ややこしい規格だと思う。どういう構想でこんな規格を設計したのかIntelの考えることは正直分からない。今はまだ種類自体が少ないので、迷うことがないのだが、将来、新しいM.2 SSDが出るたびに、旧商品との違いに四苦八苦する様が見て取れる。現時点では、売り場にM.2があるPCショップでもこれらの違いを認識している店は少ないのか、商品名のところにこれらの情報が一切書いていない。M.2 SSDと一括りにされてガラスケースに並べられており、買う側からしたらいちいち取り出してもらって確認せねばならず、面倒なことこの上ない。

LIVA-Zに対応しているM.2規格

前書きが長くなったが、LIVA-Zに対応しているM.2の規格は、KeyはMもしくはM&Bで、フォームファクタは2242、通信はSATA 6Gbpsである。前記の通り、2242であれば、を指定した時点でKeyはMかM&Bしかないし、プロトコルも現時点ではSATA 6Gbpsのものしかないので、間違うことはないかと。

これを買うことにした

モチベーションはLIVA-Zに初期に内蔵している32GBでは心もとない、というところだったので、追加容量は32GBにした。心許ないと言いつつ、32GBすら使い切っておらず、2倍あれば充分事足りるという考えから。まあ、実用というよりも技術的な興味・体験での買い物である。値段は3000円弱だった。来たら外観確認と接続テスト、OSのクリーンインストールまでやってみたいと思う。

エンジニアの能力の高さは新卒では分からない

gigazine.net

うーん、調査内容としていまいち。

新卒者や現役学生を企業がどう評価するかという内容で、そこに学歴は関係なかったという訳だけど、新卒者の段階でエンジニアの能力の高さを測ることはできない。むしろ、そこからどう伸びるかがエンジニアとしての能力な訳で、入社して三年後にどう評価されているかを調査して欲しかったなぁと思った。

まあ、でも在学生のレベルが大学によらず変わらないというのは驚き。社会に出てからの成果には、学問というバックボーンは確実に生きるんだけど、そこをアピールするのはなかなか難しいということだろうか。

確かに、新卒の頃は素直な子が評価が高くなる。素直な子は伸びも速い。学歴の高い頭でっかちと比べて、弱点が全く無いように思える。でも、学はあった方が良いですよ。

量子速度限界

ww.zaikei.co.jp

 

気になるニュース、、だが、この記事の中で不確定性原理の説明は必要だったのか?なんか読者を舐めてるのかって気がする。例のアクセラレーションブーストに近い。そこで書くべきことは不確定性原理ではないだろう。原稿料を稼ぐ為なのか、本当に腹立たしい限り。字数が限られているから、とか言い訳が出そうだけど、ニュースとして伝わらなきゃ何の意味も無い。

マクロな系と言っているのが、相対論を含めた現代物理学に基づくものなのか、それともニュートン力学を指しているのか。それとも、どちらでもなく、単なる統計力学なのか? 統計力学とすれば、まぁなんとなく分かるかなという印象。統計力学の法則はニュートン力学とは違って、結構直感から外れた面白い結論が出てくるから、そういうこともあるんかなーと。

Gemini Lake登場

pc.watch.impress.co.jp

Applo Lakeが出てそんなに時間が経ってない印象だったのですが、もう次世代のGemini Lakeが出てきました。プロセスは14nmで変更なし。マイクロアーキテクチャがGoldmontからGoldmont Plusに変更。大きな変更ではなさそう。キャッシュが2倍になったくらい?

それよりも驚きなのは、WiFi内蔵という点。ローエンドPCであっても無線が当たり前になっていることを考えれば、当然の流れなのだが、今の時点でプロセッサとRFを混載した点はさすがはインテルの技術力。

疑問は通常のRFモジュールに入っている、パワー・アンプやフィルタは入っているのかどうか?という点。

これらがGemini Lakeに内蔵されているとすれば驚異的だ。マザーボードベンダーは基板上で配線を引き出してアンテナに繋ぐだけで、無線ができる。従来のモジュールであれば信号を繋いだり、電源供給の部品を置いたりしなければならなかったので、コストも面積も大きく取られたが、それらがなくなるのであれば、めちゃくちゃ安くなる。部材だけでも2000円くらいは安くなる。

一方でアンプやフィルタが内蔵されていないとすれば、逆に付加価値は無いに等しいくらいになる。理由はこれらの部品を基板上で接続するには高周波の設計技術が必須だから。以前まで、RFモジュールを買って乗せるだけだったPCのマザーボードベンダーにこれを要求するのはとてもハードルが高い。

チャレンジングなマザーボードベンダーはインテルのリファレンスボードを睨みながらやるんでしょうが、スケジュール通りに商品を発売することができるのかどうか。コンサバなところはGemini Lakeの無線は使わず、従来通り外付けの無線モジュールを使うかも知れません。

ということで、目玉の内蔵の無線機能、もうすこし情報が欲しいところですね。

ラズパイとのシリアル通信

前回の記事ではCP2102ブレークボードのドライバのインストールまで行った。今回はいよいよラズパイにシリアル接続を試みる。


kent-tech.hatenadiary.com

 

環境

Raspberry Pi
 Raspberry Pi3 Model B
 OS: Raspbian STRETCH WITH DESKTOP 2017-09-07
Windows PC側
 Windows10
 USB to UART 変換チップ: Silicon Lab. CP2102

 

やってみよう

まずは物理的な接続だ。ラズパイの電源をOFFにして、CP2102のUART TXをラズパイのUART RXに、CP2102のUART RXをラズパイのUART TXに接続し、CP2102のGNDとラズパイのGND間も接続する。ラズパイのどの端子がUARTなのかは、ラズパイのピン配置を参考にする。もしくはネット上に解説記事がこれでもかというくらいあるので、迷うことはないと思う。


続いてラズパイの電源を投入する。立ち上げに10秒くらいかかるので待つ。その後、Windows PCでTeratermを立ち上げて、シリアルポートに接続する。ボーレートはRaspberry Piの仕様?により、115,200に設定する。すると、ログインを促される……はずが接続できない! Enter Keyを何度叩いても反応がありません。

 

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デバッグ

なんでだろうと思って調べてみると、Raspberry Pi3から、Bluetoothが搭載された関係で、OSのdefaultではシリアル接続ができない仕様になったとかいう記事を見つけた。つまり、一度ラズパイにディスプレイ・キーボード・マウスを接続し、ラズパイのコンフィグを修正しないと、外部からは制御できないのだ!


何という不便! そもそもヘッドレス(ディスプレイ・キーボード・マウスなし)でラズパイを設定しようと思ってシリアル接続をやろうと思ったのに、できないっていうことじゃないか!


と愚痴っても仕方ないので、渋々ディスプレイとマウスとキーボードをラズパイに接続して、ラズパイを再起動します。その上で、シリアルポートの設定を行います。変更の仕方はごくごく簡単で、Raspberry PiのHomeボタンからPreference→ Raspberry Pi Configuration→ InterfaceでシリアルポートをEnableにするだけでした。


そしてteratermを再度接続してみると、無事ログイン画面に行けることがわかりました。

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ヘッドレスの夢

かくしてシリアルポートを使った、ヘッドレスでのラズパイの制御という夢はもろくも崩れ去った。調べていく中でMacだとOSのイメージディスクを直接編集することができるらしく、起動時にsshを起動するようにしたり、WiFiの設定をすることも可能の模様。


Windows PCでも同様のソフトがないのか調べてみたが、存在せず。ただ、Raspberry Piエミュレータがあるということは聞いたことがある。であれば、エミュレータ上でOSを起動→所望の設定にしたのちにイメージを吸い出し→Raspberry Piへ移植という手順を踏めば何とかなるんじゃないかと思う。


WindowsのノートPCしか無い状況は容易に存在しますし、そういった場合ヘッドレスでのラズパイの起動は需要があると思います。何とかできないか引き続き考えてみたい。