インテルAtomプロセッサの今
前回の記事の通りメインPCとしてLIVA-Zを買ったのだが、LIZA-Zのことを調べていたら、中に使われているCPUがインテルAtom系のプロセッサだと知った。でも、あれ、Atomって撤退したんじゃなかったっけ?疑問に思ったので、調べてみた。
そもそもインテルAtomとは?
インテルAtomとは、インテルがネットブック向けに開発したCPUシリーズのこと。通常のCPUに比べて、非力だが低消費電力に特化したことが特徴。
ネットブックというのは2008年くらいに登場した、ネットさえ出来ればいいと割り切った低スペックで小型のPCの総称。当時はスマホはまだ発売されておらず、かつ、ガラケーはフルブラウザに対応し始めていたもののブラウジングに使うにはスペックが足りなかったので、このPCもどきがかなり持て囃された。
インテルAtomはこのネットブックの分野でダントツのシェアを誇っていた。
ネットブックの終焉
しかし、ブームは長く続かず、スマホの登場により、完全にその存在意義を失った。2年もったかどうかというレベル。インテルAtomはモバイルに特化していたので、当然スマホに対応するポテンシャルはあったのだが、そこではARM系プロセッサが勃興。低電力という分野でARMが技術的に一歩進んでいたことも一因だあが、サプライチェーンのパラダイムシフトが起きたことが大きな理由。この辺については別の記事にして語りたい。
とにかくARMによって、Intel Atomは完全に行き場を失った。スマホに続くタブレット・ウェアラブルといった分野でもインテルはARMに完全敗北。ソフト開発環境という意味でIntel系プロセッサは一日の長があったのだが、ARMの同環境が追いついてしまったといっていい。インテルはもうARMに勝てない。
そしてAtom滅亡
そういう状況なので、IntelはPC・サーバー以外のCPUを撤退。Atomという名前はなくなり、PentiumやCeleronという従来のブランドの最下位モデルに吸収された。Atom系と言われ続けるのは、マイクロアーキテクチャの起源がAtomにあるからというだけ。実際インテルはもうAtomと呼んでいないし、マザーボードメーカーもAtomとは呼ばなくなってきている。しばらくしたら、Atomという名前も忘れられていくんでしょう。
感想
ということで調べてみたら、やっぱりAtomは死んでいた。しかし、それはマーケティングという意味であって、技術としては生きつづけている模様。とにかく低コストでPCを、と考えている僕なので、しばらくAtom系列のCPU動向には注意を払うことになりそう。