新ルーター導入!

前回の記事ではLIVA-Zを買ったものの、インターネットが非常に遅くなったことを書いた。同じ場所でiPhoneは接続できるのにLIVA-Zでは接続できないので、ハード的に無線性能が低いと言わざるを得ない。

ただ私の使っているルーターは5年前のモデルだし、ルーターの設置場所もLIVA-Zから遠く離れている。なので、ルーターを買い替えてLIVA-Zのネット接続が改善しないかを検討してみた。

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ルーター選び

まずはルーター選び。まず今回の買い替えの大きなポイントとして、「電波が弱いんじゃないか」問題がある。なので、電波の強いモデルを選ぶことにした。うちの間取りは3LDKだが、ルーターとの位置関係を考えると、4LDKモデルが妥当である。

4LDK対応で一番人気で、かつお値段もリーズナブルだったが、下記のモデルだ。お値段は10,000円程度。 まあ、こんなもんかな、と。ヨドバシなら10%還元で実質9,000円で買えます。

 

接続速度

そしてルーターを設置し、使用してみました。新ルーターは11ac対応のDual Bandなので、2.4GHz帯と5GHz帯を選んで使えます。

まずは2.4GHz帯の結果です。非常に低速。

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次に5GHzの結果です。こちらは標準。

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体感的にも2.4GHzを使っている時はやっぱり耐えきれないほど遅く、前のルータとそんなに変わりませんでした。一方で5GHzは普通に使えるレベルでした。

 

所感

一般に2.4GHzと5GHzを比べた場合、2.4GHzは障害物に強いというメリットがあります。LIVA-Zとルーターの間にも部屋の仕切りの壁があるんですが、薄い壁だからかあんまり影響しないみたいですね。それよりも5GHzの規格としての速度や、電波としての直進性の強さが勝って、5GHzの方が4倍以上も速く接続できています。

結果として、10,000円の出費によって、インターネット環境は大幅に改善しました。良かった点はDual Bandに対応したものを買った点ですね。5GHz帯がこんなに良いものだとは知らなかったです。一方で4LDKモデルは必要なかったかも、と思っています。今回の場合5GHzにさえ対応していればよく、3LDKモデルにしておけば、半値の5,000円くらいで買えました。

電波を強くしても2.4GHzの改善しなさっぷりを見ると、LIVA-Zの2.4GHz帯のモジュールが悪すぎるなあと思います。あと5GHz帯に関しても、標準的なスピードにはなりましたが、iPhoneに比べると、まだ5倍くらい遅いです。この辺は格安PC故なのかもしれません。性能の悪い無線モジュールを格安で仕入れている、とかね。

したがって、モジュールの換装でネット速度は大幅に改善するかも知れません。M.2接続のWiFiモジュールは3000円くらいで売ってますし、ホイップアンテナも300円くらいで売ってます。計5000円くらいで劇的に改善するなら、それもありかなと思います。面白そうなので、実験してみようかなと思ったりしています。

CP2102ブレークボードを使ったシリアル通信 準備編

以前の記事で紹介した300円のCP2102ブレークボードが届きました。

 

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外観チェック 

半導体設計・ボード設計を仕事でやっている身として、なかなか興味深かったです。

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表層で透けて見える配線の様子を見ていると、ベタ GNDが入ってないです。プリント基板は使っていない領域があれば、GND接地したベタ面を入れるものなんですが、パターンを少しでも簡略化してコストを浮かせる作戦なのか、単なる素人の入れ忘れか、とにかく信号配線以外走ってない。

そして、USBの差動配線が等長でない。というか一般配線と同じ配線ルールで引いてる。両脇にグランド面もない。これだと、インピーダンスコントロールは全くできていないはず。これでもUSBの信号のやり取りができているのが凄い。波形ぐっちゃぐちゃでっせ。

これは半導体とボード設計の奇跡の相性で動いているようなもんです。一回、最高速度でデータのやり取りを実験してみたいですね。あと、ほかのブリッジボードもこういう感じなのかも見てみたいです。

実際に動かしてみる

では実際に動かしてみます。PCにぶっさすだけでは認識しなかったので、Silicon LabのHPからドライバをダウンロードして、インストールしました。

USB - UART ブリッジ VCP ドライバ|Silicon Labs

ドライバさえインストールすれば、コントロールパネル>デバイスマネージャにお目当てのブリッジICがCOMポートのとこに現れます。

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そして、Teratermを起動。こちらにもシリアルポートのところに、CP210Xのデバイスが選択できるようになっていることが確認できます。

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次回、ラズパイとシリアル通信を実施します。

LIVA Z を買って一週間が経った

LIVA Zがうちに届いてから一週間が経った。一週間経つと、新品のわくわく感も徐々に薄れ、不満が見えてくるもの。ファーストインプレッションならぬ、セカンドインプレッションを今日は書いてみたい。

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HDD容量はどんどん減っていく

LIVA-Zの弱点の一つである低容量。実質16GBしか使用できなくて、足りなければSDDで補強しようと思ってたが、まだ大丈夫です。今のところ、新たにインストールしたのは、ChromeOpenOfficeTeraterm。これで6GB程度使ってしまい、残り10GBを切ったところ。

このペースはちょっと怖い。しかし、まだ困ってはいないので、もう少し今の状態を続けてみようかと思っている。上に挙げたソフト以外で入れるべきものは見当たらないし、データは細目に消せばなんとかなる気がしている。

WiFiがとっても遅い

これがセカンドインプレッションでの目玉とも言えることだが、LIVA-ZはWiFiがとにかく繋がらない。

うちの無線ルータの設置場所にも原因はある。下図のようにPCから無線ルータまでは最も遠い関係にあり、障害物もある。iPhoneも繋がりにくくなる時があるので、配置はよろしくないのだろう。しかし、繋がりにくくなる頻度はLIVA-Zの方が高いので、LIVA自身にも問題がある。Intel製のWiFi-BTコンボモジュール内蔵とのけことだが、iPhoneよりも性能は低いのではないかと思う。

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WiFi不通問題の改善策

とにかく、WiFiがつながらない問題は放置できないので、以下のどれかでいこうと考えている。

1. ルータの買い替え

うちにあるルータは5年以上前の古いタイプ。11acが登場する前のものだ。私が独身時代に買ったものなので、おそらく1ルーム用だったのだと思う。少なくとも3LDK向きのものではない。

充分使ったし、そろそろ買い替えてもいいのではないかと思っている。

懸念点は買い替えて、本当に改善するのかどうか?という点。余裕を見て4LDK向きのルータの価格を調べてみると、15000円くらい。これだけの出費で改善しなければとっても悔しい。

2. リピータの設置

改善効果は読めないものの、ルータを買い替えるよりもコストを抑えられるのがこちらのプラン。安いものだと、3000円程度で買える。

問題はどこに置くかということ。トイレのドアの脇にちょうどコンセントがあり、下図のようなコンセント直結のアダプタタイプであれば、不要なコードの引き回しもない。

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バッファロー BUFFALO
WEX-733D [無線LAN中継器 11ac/n/a/g/b 433+300Mpbs]

問題は子供が触ってしまうこと…。コンセントってちょうど子供が触りやすい高さにあって、コンセントタイプだと子供が触って壊してしまわないかが心配。

3. USB WiFiアンテナを使う

PC側にUSB接続のWiFiアンテナを使うのも一つの手。これもやっぱり効果のほどは読めない。でっかいアンテナであれば、改善する気がするけどね。コストは最も安くて、1500円程度。

この手段の大きなデメリットは貴重なUSBポートをつぶしてしまうこと。既にマウスとキーボードで3個中2個使ってしまっているので、今後ラズパイで遊んだりしたいので、できればこの手段は避けたい。

有線LANポートに接続できるアンテナアダプタがあればベストなんだけど、そういう製品が何故か一切見当たらない。LIVA-Zには2個もGiga bitイーサのポートがあり、僕は使う予定がないので、これを活用できたら便利なんだけどな。

で、結局どうするか

挙げた3案には一長一短あることが分かった。案2, 3には致命的な問題があるし、案1は金がかかる。

効果の有無はどれも使ってみないことには正直分からない。どれが効果がありそうかも分からない。その意味で3案は拮抗。

この週末でどうするか考えよう。。

ARM系プロセッサが躍進できた理由

前回の記事で、インテルAtomプロセッサがARM系プロセッサに惨敗したことを書いたのだが、今回はなぜARM系プロセッサが躍進できたのかを書きたい。

 

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ARM系プロセッサとは何か?

ARM系プロセッサとは、英ARM社が開発したCortex AシリーズなどのプロセッサIPを搭載したプロセッサを指す。

IPとはIntellectual Property=知的財産のことだ。つまりARMが提供するプロセッサIPは影も形も持たない概念のような存在。具体的には何万行かのコードの集合である。ARMはそのようなプログラムコードを売って、ユーザーである半導体メーカーはプログラムコードに従って半導体を作る。こうしてできたのがARM系プロセッサという訳だ。

ちなみにARMが提供するコードは暗号化されており、半導体メーカーは何が書いてあるのかも分からない状態で、プロセッサを実装する。端から見れば非常に不思議な光景であるが、プロセッサは今や200万ゲートのトランジスタが使用されている。ここまでくると出来上がったトランジスタの接続を見たところで、何がどうなっているかを理解することは実質不可能なのだ。

ARM系プロセッサの強み①

ARMのようなソフトIPを用いる利点は数多くある。一つ目はシステムの集積化の自由度が上がる点である。

プロセッサの処理速度が年々高速化しているのは周知の通りだが、折角プロセッサのスピードを上げてもメモリがついていけなかったり、IO、GPUがついていけなければ、システム全体のスループットは大きく低下する。

その為、高速に動かしたい部品は、なるべくプロセッサの近くに置くことが必要になる。プロセッサに最も近いところはどこかというと、半導体それ自身の中である。こうしてプロセッサは周辺機能をどんどん取り込んだ。これは半導体の微細化プロセスの進展ともマッチした。

システムの集積化は動作の高速化以外にもメリットがある。例えば、コストダウン。2つに分かれていたチップが1つに統合されれば、重複する機能やインターフェース回路を削減できる。つまり、実装に必要な面積が下がる分コストが下がる。また、2チップ作る手間が1チップの製造でよくなるので製造コストも下がる。

さらに、回路が削減されることにより、電力も低下する。モバイル系ではバッテリー容量が極端に制限される。電力は常に課題となるため、ローパワーソリューションは常に求められる。

このように集積化には多大なる恩恵があるものの、大きな問題がある。何を集積すればいいの?ということだ。必要となる周辺機能というのはユーザーによって大きく異なる。

具体例でいうと、ゲーム用プロセッサとして、最適なメモリのインターフェース(バス幅・メモリの種類・速度)をどう決めればいいか?という問題である。ゲームの開発環境やディスプレイ環境など、個々のゲームメーカーによって必要な環境は異なっており、半導体メーカーが予め知り得ない情報である。

ラインナップである程度は補えるが、すべては難しい。さらに特注の仕様を求めるのは大口ユーザーであり、需要は大きい。そうしたユーザーにとって、ソフトIPは非常に魅力的だった。

長くなったので、続きは次回で!

 

LIVA-Z 届きました。

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待ちに待ったLIVA-Zが届いた。今週はこの日の為に頑張ってきたと言っても過言ではない。

ファーストインプレッション

こちらがその新品のLIVA-Zの写真。

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手のひらサイズは伊達じゃなく、本当に手のひらに乗った。次にセットアップして電源を投入した時の写真がこちら。

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電源を入れることで電源ボタンが白色に光る。ちなみに隣にある青い筐体がラズベリーパイ。大きさはいい勝負だ。

 

触ってみて

やっぱり僕の用途だとこのスペックで十分だった。今、このブログはLIVA-Z経由で書いており、まったく不都合がない。

むしろWiFiの回線速度が作業を律速している感じ。ルーターが古いので新しく変えたら早くなるのかな。インターネット接続どこが律速しているのか、一度調査してみたいところ。

 

気になるところ

使い始めてみて気になるのは、ハードディスクの少なさ。

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スペック上は32GBだが、システムで利用できるのは27.8GB。さらにここにWindows10が入ることで、空き領域は16.1GBまで狭まっている。ローカルに重いデータは保存できない。ラズベリーパイ関連で数GBのOSイメージをダウンロードするし、心許ない。

ま、明らかに足りなくなったらSDDを追加しようと思う。M.2スロットを触るのは初めてで、それはそれで面白そうだ。

 

インテルAtomプロセッサの今

前回の記事の通りメインPCとしてLIVA-Zを買ったのだが、LIZA-Zのことを調べていたら、中に使われているCPUがインテルAtom系のプロセッサだと知った。でも、あれ、Atomって撤退したんじゃなかったっけ?疑問に思ったので、調べてみた。

 

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そもそもインテルAtomとは?

インテルAtomとは、インテルネットブック向けに開発したCPUシリーズのこと。通常のCPUに比べて、非力だが低消費電力に特化したことが特徴。

ネットブックというのは2008年くらいに登場した、ネットさえ出来ればいいと割り切った低スペックで小型のPCの総称。当時はスマホはまだ発売されておらず、かつ、ガラケーフルブラウザに対応し始めていたもののブラウジングに使うにはスペックが足りなかったので、このPCもどきがかなり持て囃された。

インテルAtomはこのネットブックの分野でダントツのシェアを誇っていた。

ネットブックの終焉

しかし、ブームは長く続かず、スマホの登場により、完全にその存在意義を失った。2年もったかどうかというレベル。インテルAtomはモバイルに特化していたので、当然スマホに対応するポテンシャルはあったのだが、そこではARM系プロセッサが勃興。低電力という分野でARMが技術的に一歩進んでいたことも一因だあが、サプライチェーンパラダイムシフトが起きたことが大きな理由。この辺については別の記事にして語りたい。

とにかくARMによって、Intel Atomは完全に行き場を失った。スマホに続くタブレットウェアラブルといった分野でもインテルはARMに完全敗北。ソフト開発環境という意味でIntel系プロセッサは一日の長があったのだが、ARMの同環境が追いついてしまったといっていい。インテルはもうARMに勝てない。

そしてAtom滅亡

そういう状況なので、IntelはPC・サーバー以外のCPUを撤退。Atomという名前はなくなり、PentiumCeleronという従来のブランドの最下位モデルに吸収された。Atom系と言われ続けるのは、マイクロアーキテクチャの起源がAtomにあるからというだけ。実際インテルはもうAtomと呼んでいないし、マザーボードメーカーもAtomとは呼ばなくなってきている。しばらくしたら、Atomという名前も忘れられていくんでしょう。

感想

ということで調べてみたら、やっぱりAtomは死んでいた。しかし、それはマーケティングという意味であって、技術としては生きつづけている模様。とにかく低コストでPCを、と考えている僕なので、しばらくAtom系列のCPU動向には注意を払うことになりそう。

コンパクトPC / LIVA-Zを買う

僕は自宅のPCではほとんどネットブラウザしか使わない。たまにデータをまとめるためにエクセルを使うくらいだ。なので、PCにはとことんこだわりがない。だが、こだわりがないとは言っても、スマホではブログの記事を書くのが大変。キーボード・マウスは重要だ。

これまで妻と兼用のPCを使っていて、そろそろ自分専用機が欲しいと思っていた。ラズパイで遊び始めたので、ラズパイをメインPCにすることも考えたんですが、ラズパイは遊ぶために何度もOSを入れ直したりするので、その度にブラウザや日本語の設定をするのが面倒。

ということで買うことにしたのがコンパクトPC。最初はGIGABYTEのBRIXシリーズを買うことを考えていました。理由は会社のラボでBRIXを使っていて、勉強にもなると思ったから。

で、BRIXにも色々あるなあと思って調べていて、横道に逸れながら出会ったのが記事のタイトルにあるLIVA-Zです。コンセプトはBRIXと同じコンパクトPCだけど、LIVA-Zの方が安い。Windows OSなしのモデルで見ると、BRIXの方が安くて一万円代のものもあるんだけど、OS付きだとLIVA-Zは三万円弱となり、BRIXよりも安い。Windowsなしでdebianubuntuを使うのも無くはないかなーと思ったんですが、ラズパイとシリアル通信をやるならWindowsじゃないとつまづくかな、と思いました。

あと、BRIXは公式のラインナップが豊富な割に入手経路が貧弱ですね。エントリーモデルはほとんどがアマゾンやヨドバシで手に入らない。対して、LIVAはたったの4種類。それもCeleronPentium、そしてOSの有無の組み合わせのみ。アマゾンでもヨドバシでも全種類買えます。そういったことを含めて、LIVAを買うことにしました。

 CPUはCeleronです。Pentiumモデルはプラス三千円でしたが、CPUパワーは要らないし、とことん安く済ませようかなと。PentiumといってもApplo lakeのノートPC用という超低電力モデルなので、仮に三千円を積んでも中途半端なものしか来ないと割り切りました。あと個人的な経験ですが、使っていてタスクマネージャーのCPUが100%になることってほとんどないんですよね。マルチコアで全コア100%は見たことない。だから非力なCPUでも十分と踏んでます。そもそもラズパイでも事足りてるので。